プラリーヌ

  • 2017.03.20 Monday
  • 10:34

 

 2016年のやまねこ賞読み物部門受賞作『ペーパーボーイ』(ヴィンス・ヴォーター作/原田勝訳/岩波書店)が課題本の読書会に参加することになり、それなら……と話のなかに出てくるお菓子、プラリーヌを作って持っていくことにしました。ついでに「お菓子の旅」にも載せることにして、まさに一石二鳥。

 

 プラリーヌのルーツはフランスですが、アメリカに渡ったあといろいろあって、現在フランスで作られているプラリーヌとニューオーリンズで作られているプラリーヌはまったく別物となりました。アメリカではきび砂糖のほうが手に入りやすく、アーモンドよりもピーカンナッツのほうが身近だったのでしょう。その土地ならではのものを反映させて変化していくのは自然なことですよね。

 

 さて、最初参考にしていたフランスのプラリーヌのレシピでは、熱伝導のいい銅鍋を使うことを推奨していました。銅鍋はかなり高い。一生ものだと言われるけれど、同じ「一生もの」を買うのなら、もっと若いころに買いたかったなあ……。

 というわけで、次女が家を出ていくときには一生ものの鍋をプレゼントすることを約束し、今回は銅製の行平鍋を買いました。最初心が揺らいだ一生ものの銅鍋に比べればぐっと値段は下がるとはいえ、行平鍋としてはけっこういいお値段。届いたとき、美しさにほれぼれしました。

 

 アメリカ人には身近なピーカンナッツも、日本では手に入りやすいとは言いがたく……。でも、ここはピーカンナッツを使うべきと!と、思い切って、富沢商店のオンラインショップで1キロ買いました(5回くらい試作することを考えると、絶対まとめ買いするほうが安上がりなので)。

 

 ニューオーリンズ風プラリーヌ、もたもたしているとあっという間に固まりすぎてしまって、なかなか難しく、何度も失敗しました。失敗したプラリーヌ(ピーカンナッツの砂糖がけ?)をパウンドケーキに入れて焼いたらとても美味しかった……。あれをまた食べるためにはプラリーヌ作りに失敗しなければならず、悩ましいところです。

 

 月刊児童文学翻訳2017年3月号「お菓子の旅」はこちら

 

 銅の行平鍋は、水羊羹やゼリーを作るのに活用しています。でも、煮物には使いません。

 

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