ヘーゼルナッツ・ケーキ

  • 2019.10.29 Tuesday
  • 21:15

 

ナチスのキッチン 「食べること」の環境史』(藤原辰史著/共和国)のなかで紹介されている、ヘーゼルナッツ・ケーキを作りました。

 

 ベーキングパウダーなどを製造しているエトカーというメーカーが自社製品を普及させるために出版した料理本のひとつ、1939年に刊行された『時局のレシピ』に掲載されているそうです。

 戦時中なので、倹約のため、卵もバターも使っていません。材料は小麦粉250g、ヘーゼルナッツ250g、脱脂生乳4分の1リットル、砂糖200g(!)、ドクトル・エトカーのバニラシュガー、ドクトル・エトカーのアーモンド・エッセンス、ドクトル・エトカーの「バッキン」(ベーキングパウダーの商品名)。エトカーの商品を3つも使っています。

 脱脂生乳は低温殺菌牛乳で代用。バニラシュガーはバニラオイルで代用するつもりでしたが、去年チェコで買ったバニラシュガーが1袋だけ残っていたので、使うことにしました。

 

 

 なんと! ドクトル・エトカーの商品でした!(『ナチスのキッチン』によると、エトカーという企業は親ナチだったそうです……)

 

 レシピには、
 挽いたヘーゼルナッツの実、砂糖、香料、そして「バッキン」を混ぜてふるいにかけた小麦粉を、ボウルに入れ、混ぜ合わせます。
とありますが、我が家にはミキサーもフードプロセッサーもないので、オーブンでローストしたヘーゼルナッツを少しずつすり鉢に入れて、すりこぎでひたすらつぶして、すって、細かくしました。所要時間は30分〜1時間くらい? ナッツからオイル分が出て、少しねっとりします。練りごまやピーナッツバターみたいな感じで、油脂類を入れなくても、これで少しは補えるのかな?
 牛乳以外の材料をよく混ぜてから、牛乳を少しずつ加え、よく混ざったら、バターを塗ってパン粉をふったクグロフ型に入れ、弱めの中火に設定したオーブンで55分焼きます。
 卵もバターも使っていないため、やはり少しパサパサして、切るとぼろぼろと崩れます。でも、想像していたよりもずっと美味しく、すり鉢ですったカシューナッツの粒がところどころ残っていて、その食感がなんともいえず、よかったです。
『時局のレシピ』のくせに砂糖を200gも使うので、「このご時世に!」という気がしなくもないけれど、そんなときだからこそ、たまには甘いものを食べて、気持ちを盛り上げる必要があるのかもしれません。

 

ピタ

  • 2019.10.20 Sunday
  • 10:06

 やまねこ翻訳クラブのメールマガジン「月刊児童文学翻訳」2019年10月号のお菓子の旅でピタを紹介しました。ピタはお菓子ではないのでは?という突っ込みが聞こえるような気がしますが、これまでにもベーグルやチャパティを紹介しているので、許容範囲……のはずです。

 

 数年前からイスラエルのお菓子を紹介したいと思っていて、イスラエルでどんなお菓子が食べられているのか調べつつ、イスラエルを舞台にした作品をかたっぱしから読み、何かお菓子が出てこないか探しました。でも、日本で紹介されている作品の絶対数が少ないこともあって、お菓子が出てくるような作品が見つかりません。範囲をユダヤに広げ、第二次大戦中のポーランドが舞台にした、ユダヤ人の男の子が主人公の作品もいろいろと読んでみましたが、お菓子が登場する作品は見当たりませんでした(これは当然といえば当然なのですが)。
 で、最終的に『瓶に入れた手紙』(ヴァレリー・ゼナッティ作/伏見操訳/文研出版)を選びました。
 日本から中東は遠くて、ガザ地区やテルアビブといった地名を聞いても、なかなかぴんとこないのではないでしょうか。この作品は冒頭にイスラエルの地図が掲載されているほか、訳者あとがきでも背景知識について詳しく説明されていて、現代のイスラエル・パレスチナが抱える問題についての資料的な側面もあります。書かれていることはフィクションですが、登場人物の気持ちに寄り添うことによって疑似体験できるのは、フィクションのよさではないでしょうか。

 

 昨今、書店の棚にパン作りの本はたくさん並んでいますが、ピタの作り方が載っているような本は見かけませんでした。わたしが参考にした2冊、『エキゾチックなパン』(中道順子著/グラフ社)も『おうちで作る世界のパン』(パンシェルジュ検定運営委員会編集/実業之日本社)も現在は絶版です。この2冊とイスラエル料理 レシピ「手軽に作れるピタパン」 B.F.P. Japanというサイトを参考にしながら試作を重ね、最終的に自分で作り方を考えました。

 

 

 

 混ぜたり、こねたり、発酵させたりは、力もいるので、ホームベーカリーに任せてもいいと思います。わたしは手でこねるのが好きなので、すべて手でやりました。『ロイスと歌うパン種』(ロビン・スローン作/島村浩子訳/東京創元社)を読んで以来、パンを作るときは(手でこねて作るときも、ホームベーカリーを使って焼くときも)音楽を流すことにしています。今回のBGMは昔、近所のホームセーターのワゴンセールで売っていた『イディッシュ・クラシック』というCD。「ハバ・ナギラ」や「マイムマイム」などが収録されていて、思わずフォークダンスが踊りたくなります。

 

 月刊児童文学翻訳2019年10月号の「お菓子の旅」はこちら

 

 

 

ブルーベリー・エンチラーダ

  • 2019.07.15 Monday
  • 16:39

JUGEMテーマ:手作りお菓子

 やまねこ翻訳クラブのメールマガジン「月刊児童文学翻訳」2019年7月号・お菓子の旅で、ブルーベリー・エンチラーダを紹介しました。ブルーベリーのフィリングをトルティーヤで包んだもので、『星を見あげたふたりの夏』(シンシア・ロード作/吉井知代子訳/あかね書房)に出てきます。

 フィリングはシンシア・ロードさんのレシピを参考にしましたが、そのままでは量が多すぎるような気がしたので、半分にしました。また、ブルーベリーの分量がパイントになっていたので、gに換算(Yahoo知恵袋で、ブルベリー農家の方が180ml入りのカップに130g入れているという回答していたのを参考にしました)。砂糖やスパイスの量は試作しながら調節しました。シナモンのほかに、ブルーベリーに合いそうなカルダモンやナツメグも加え、リリーのように、ひとくち食べて、「ちょっとスパイスもきいている」と感じられるような味にしたつもりです。

 ブルーベリーは生のものを使いたかったのですが、5〜6回試作するので、コストを考えて断念。冷凍のブルーベリーを使いました。

 トルティーヤは、最初、コーンフラワーと薄力粉を半々にして作ってみましたが、生地を伸ばすときに台やめん棒にくっついてうまく成形できず。おまけに、焼きすぎたのかうまく丸められませんでした。次に、コーンフラワーと強力粉を半々にしたもので試してみましたが、練るときに水を入れすぎたのか、生地がまとまらず。成形もうまくいかず。焼きあがったものはパリパリで、やはりうまく巻けませんでした(コーン・トルティーヤはくっつきやすくて、めん棒で伸ばすのは不向きのようで、トルティーヤを成形するための器具、トルティーヤプレスというものが売っていることを知り、買おうかどうか、本気で悩みました……)。

 メキシコで食べられているコーントルティーヤに使われているトウモロコシの粉はコーンフラワーと違って、グルテンが含まれているので、粘り気があり、くるくる巻けるみたいです。コーンフラワーを使うのはあきらめて、薄力粉と強力粉半々で作ったら、なんとかうまくいきました。

 フィリングは、シンシア・ロードさんのレシピでは「テーブル・スプーン1.5杯」となっていたのですが、やはり多すぎるような気がして、トルティーヤにのせるのは大さじ1にしてみたら、出来上がりが貧相に……。次に、大さじ1.5と大さじ2、両方で試してみて、大さじ2ではフィリングがトルティーヤからあふれてしまったので、大さじ1.5で落ち着きました。

 シンシア・ロードさんのレシピでは、市販のトルティーヤを使っています。日本でも輸入食材を扱っているお店や、大きなスーパーではトルティーヤを売っているので、比較的手に入りやすいのでは? 市販のトルティーヤを使う場合は、フィリングを包む前に少し温めたほうがいいみたいです。

 

 

 お好みでホイップクリームかシナモンシュガーを……と、シンシア・ロードさんは書かれていましたが、ホイップクリームは苦手なのでのせません。個人的には、ホイップクリームなしで、トルティーヤの食感とブルベリーの風味を味わってほしいと思います。

 

 月刊児童文学翻訳2019年7月号の「お菓子の旅」はこちら

 

 

砂糖衣のかかったフルーツケーキ

  • 2019.05.19 Sunday
  • 13:32

 

 文芸翻訳ブッククラブに参加するときは、可能な限り、課題本に登場するお菓子を持っていこうと考えています。今回の課題本『カッコーの歌』(フランシス・ハーディング作/児玉敦子訳/東京創元社)には、物語の展開上の必然性もあって、お菓子がいろいろと出てきます。最初の部分だけでも、アーモンドケーキ、エンゼル・ケーキ(エンジェル・ケーキ)、砂糖衣のかかったフルーツケーキ、マフィン……。せっかくなので、複数作ることにしました。

 アーモンドケーキはこれというレシピを見つけられず(40年くらい前に刊行されたお菓子の本を参考に作ってみたのものの、期待したほどアーモンドの風味が出せず)、マフィンは面倒だなあなどと悩んだ末、作り慣れているエンジェルケーキ(マザネツを作ったばかりで、卵白が余っているし)と、砂糖衣のかかったフルーツケーキを作りました。

 作り慣れているフルーツケーキに一手間加えて、砂糖衣(アイシング)をかけただけで、ちょっとよそいき風のお菓子が出来上がるのですね。丸ごと持っていくのなら、この上にスミレの花の砂糖漬けか何かをのせるといいかもしれませんが、今回は切って、ひとり分ずつ袋に入れて持っていくので、アイシングをかけて終わり。アイシングは、『パウンドケーキバイブル』(福田淳子著/河出書房新社)のガトー・ウィークエンドを参考にしました。お菓子作りは、レシピに書かれている材料や分量、手順を守ればたいていうまくいきます。手をかければ、それなりに出来上がります。

 

 


チョコレート

  • 2019.02.12 Tuesday
  • 21:24

JUGEMテーマ:手作りお菓子

 

 バレンタインデーも年月とともに変わっていくようです。

 最初に勤めていた職場では、お得意先に義理チョコを配っていました。その後、勤めた職場で、お世話になった方にお礼の気持ちを込めてチョコレートを贈ったりもしました。食べてなくなるものは、後腐れなくていいなあと思います。

 次女が中学・高校のころは、手作りのチョコレート菓子を作って、友人のあいだで交換したりしていたようですが、大学生になったのでピタリと止みました。

 

 というわけで、台所があいたので、今年はやまねこ翻訳クラブのメールマガジン、月刊児童文学翻訳 2002年2月号の「お菓子の旅」のレシピを参考に、生まれて初めて生チョコを作ってみました。材料はチョコレート、バター、生クリーム、はちみつ……太るもの、ニキビの元になるものしか使っていないような(笑)。冷やして固めたあと、ココアパウダーをまぶせば何とかごまかせるので、気軽に挑戦できます。

 今回は製菓用チョコレートではなく、普通の板チョコ(ロッテのガーナのブラック)を使いました(ガーナのブラック、好きなんです)。ホワイトチョコを使って、仕上げに粉砂糖をまぶしてもいいし、抹茶チョコを使って、仕上げに抹茶パウダーをまぶしてもいいかも。

 

「お菓子の旅」の記事に引用されていた "The Valentine Bears"。バレンタインデーの時期は冬眠中のクマの夫婦が、初めて起きてバレンタインデーを迎える話だそうです。