チョコレート・マッド・ケーキ

  • 2018.10.18 Thursday
  • 21:12

そして、ぼくの旅はつづく』(サイモン・フレンチ作/野の水生訳/福音館書店)は原書("Where in the World")で読んで大好きになった作品。数年後に邦訳が出たとき、ちょうど午前十時の映画祭でフェリーニの『甘い生活』をやっていて、ニコが出ていたので、なんとなく縁を感じました(主人公のアリが名前をもらった男の子のお母さんがニコ。ニコの息子の本名はクリスチャン・アーロンで、アリは愛称のようです)。

 ドイツで生まれ育ったアリがお母さんとふたりで旅をする過去の物語と、お母さんの再婚でオーストラリアに移り住んでからの生活を描く今の物語が交互に語られます。オーストラリアでの現在の生活では家族でカフェを経営していて、原書で読んだとき、カフェで出しているらしい chocolate mud cake と orange and poppyseed cake が気になりました(邦訳ではそれぞれ〈チョコレートのこってりケーキ〉〈オレンジとケシの実のケーキ〉となっています)。とはいえ、特に画像検索をすることもなく数年が過ぎたある日、たまたま手にしたオーストラリアの料理雑誌をめくっていたら、chocolate mud cake のレシピが写真入りで載っていました。たしかに、つやつやしたチョコレートが泥みたい! 「お菓子の旅」で取り上げようと決めました。

 

 ヨーロッパ人が作るケーキに比べて、材料も手順も大雑把な感じ。オーストラリア人のパティシエ(?)が作る動画も見ましたが、全部ドバッとボウルに入れて、電動ミキサーでガーっと混ぜて……でほんとうにいいの?とこっちが不安になります。

 オーストラリア人のレシピではどれも直径22cmの丸型を使っていましたが、でかすぎるので、直径15cmにして、分量を調節しました。元のレシピでは卵を3個使っていたのを1個にして、ほかの材料をそれぞれ元の3分の1にします。

 

 

 焼き上がったケーキの粗熱が取れたら、チョコレートのガナッシュをまわしかけます。つやつやしたチョコレートが泥のように見えるかな?

 

 

 

 冷蔵庫で冷やすとつやがなくなって、見た目だけはザッハトルテみたいになりました。

 ケーキを切るのが得意な次女に切ってもらいました。中もしっかりチョコレート味。

 

 

 フォークを横に突き刺せば、プラハのカフェ・ルーブルのザッハトルテ風になります(笑)。

 大雑把な作り方のわりに意外にも美味しいです。生地にインスタントコーヒーを入れていますが、隠し味程度なのでコーヒーの味はしません。チョコレートが苦手だった夫がなぜか気に入ってばくばく食べています。8等分に切ったケーキがあっという間になくなってしまい、これなら元の分量で作ってもよかったかなあ。

 次に作るときはガナッシュをかける前に表面にあんずジャムを塗って、ザッハトルテ風にしてみよう。

 

 月刊児童文学翻訳2018年10月号の「お菓子の旅」はこちら

 

 

ビスコッティ

  • 2018.07.17 Tuesday
  • 09:32

JUGEMテーマ:手作りお菓子

 

 イタリア語でビスコッティは日本でいうクッキー、ビスケットのこと。だから、カ●ト●ーマ●ムもム●ンラ●トもビスコッティ(ひとつだけならビスコット)です。では、日本人が一般に思い描いているビスコッティはイタリアでは何と呼ばれているのかというと、カントゥッチ。『イタリアの地方菓子とパン』によると、余ったパンをオーブンで二度焼き(ビスコット)して作ったのが始まりのようです。

 型抜きも不要、冷蔵庫で長い時間冷やしておかなければいけないというようなこともなく、比較的に気軽に焼けます。今回はやまねこ翻訳クラブのメールマガジン 月刊児童文学翻訳2003年4月号の「お菓子の旅」のレシピを参考にしました。Polly Horvath(ポリー・ホーヴァート、ポリー・ホーヴァス)の未訳の作品 "When the Circus Came to Town" のなかで、主人公の少女がイタリア出身の元空中ブランコ乗りの家に行ったときに出されたのがビスコッティでした。原書の刊行は1996年で、サーカス団を引退した人たちが集団で町に引っ越してきたことから起きる騒動が少女の目を通して描かれていますが、今読むと移民の受け入れをめぐるあれこれと重なります。

 

 

 

ドロンマル

  • 2018.07.17 Tuesday
  • 08:50

JUGEMテーマ:手作りお菓子

 

 文芸翻訳ブッククラブの読書会に参加しました。課題本は『おばあちゃんのごめんねリスト』(フレドリック・バックマン作/坂本あおい訳/早川書房)。訳者の坂本さんもゲストとして参加されました。

 スウェーデン(とはっきり書いてあるわけではないけれど、そう思われる国)が舞台で、季節は冬。アパートで話し合いがおこなわれるたびにコーヒーとシナモンロールをはじめとするいろいろなお菓子が登場。そのなかでドロンマルという焼き菓子が気になりました。ドロンマル? どんなお菓子だろう。検索してみたら、手元にある『北欧の美味しいお菓子づくり』にレシピが載っていることが判明。灯台下暗し(笑)。

 材料は薄力粉、重曹、グラニュー糖、バター、バニラオイル。本来は重炭酸アンモニウムやバニラシュガーを使うらしいのですが、重炭酸アンモニウムは近所のスーパーでも手に入る重曹で代用し、バニラシュガーも日本では手に入りにくいのでバニラオイルで代用しているようです。ソッケルカーカハンナおばさんのお菓子もそうだったけれど、常備してある材料でさっと作れる、おばあちゃんのおやつ的なお菓子のような気がします。とりあえず、本に載っているレシピのままで作ってみました。

 焼き上がりは生っぽくて不安でしたが、しばらく天板の上に置いておいてから、ケーキクーラーの上に移して冷ましたら、さくっとした歯触りになってほっとしました。見たことも食べたこともないお菓子だけれど、本に「メロンパンのような食感」とあるので、これでいいのかな。

 

 ドロンマルが出てくる場面を引用します。

 

「ドロンマルが大好きだっていったでしょ?」エルサは嬉々として言った。

 マウドは無言でうなずいた。レナートは怯えきった顔のサマンサをひざに抱いて、テーブルの反対側にすわった。ウルスは一度にひと缶ずつ、ドロンマルをぺろりとたいらげた。

 

 バターたっぷりでコーヒーにぴったり。でも、犬にやってはいけません(笑)。

 

 

ルバーブパイ

  • 2018.05.27 Sunday
  • 20:15

 昨年に引き続き、今年も近所の農協でルバーブを売っています。ルバーブ、数年前に翻訳ミステリーお料理の会で「ルバーブのクランブルタルト」と「ルバーブとオレンジのデザートスープ」を作ったとき、「見ためはフキに似ているけれど、煮るとカニカマになるのか〜」と思ったっけ……。農協ではルバーブの売り場にジャムのレシピが置いてあって、去年は手を伸ばしかけたけれど、瓶の煮沸消毒が面倒でやめたのでした。でも、今年は攻めてみる。ルバーブ、買ってみよう! というわけで、自分の誕生日にルバーブパイを焼くことに(ジャムではない)。

 

 パンプキンパイもレモンメレンゲパイも市販の冷凍パイ生地を使用したので、パイ生地は久しく焼いていません。細かく刻んだバターを粉に混ぜて作るため、室温でバターが溶け出すような季節はパイ作りには不向き。生のルバーブが手に入り、風通しのいい室内ならまだ涼しい今がチャンスです。

 

 レシピはやまねこ翻訳クラブのメールマガジン、月刊児童文学翻訳2013年11月号の「お菓子の旅」を参考にしました。ルバーブパイはパトリシア・ポラッコの未訳の作品、"My Rotten Redheaded Older Brother" に出てくるそうです(不勉強ながら、わたしは未読)。

 

 オーブンから出したところ。


切り分けるのには苦労しました……(ロウソクは立てませんよ〜)。

 

 ルバーブは生のままパイ生地に入れて焼きます。そのせいか、ルバーブの甘酸っぱさが残っていて、美味しかったです。

 パイ生地づくりはもっと経験値が必要だと痛感。でも、これから気温が上がっていくので、作るのは秋以降だなあ……。

 

 月刊児童文学翻訳2013年11月号の「お菓子の旅」はこちら

 

プッラ

  • 2018.05.19 Saturday
  • 11:28

 

 

 マザネツを作ってから、パン作りが楽しくなりました。こねるのも、イースト菌を発酵させるのも楽しいです。

 

 というわけで、月刊児童文学翻訳 1999年2月号の「お菓子の旅」を参考に、フィンランドの甘いパン、プッラを焼きました。プッラは『ムーミン谷の彗星』に登場します。

 

 今の季節は、室温で発酵できるのがいいですね。

 

 プッラは『世界食べものマップ』でも「カルダモンの入ったあまいパン」と紹介されています。